Pyramidalwave Blog

2023/03/24 22:12


Pyramidalwaveとは日本語で三角波を表す言葉。この三角波については物心ついた頃に祖父からよく聞かされていた。

私の生まれは愛媛県の宇和島市。家の玄関を開け全力で走れば15秒で海に飛び込めるそんな環境で育った。
私の祖父は中学校を卒業する頃には漁師として働き始め、漁師として生計を立てていた。人生の半ばから真珠養殖に転向するものの、真珠養殖の合間には常に魚を追いかける生活を送っていた。私は根っからのおじいちゃん子で、3歳のころから保育園が終わると祖父の仕事場へ行き釣りを教わったり、住んでいた地域の気象の変化や、海の生き物がどんな場所にいるのかを教わった。そんな中で海の危険を学んだ。その海の危険について教わる中で1番初めに登場したのがPyramidalwave=三角波でした。愛媛県のある瀬戸内海は激しく入り組んだ地形が特徴的なリアス式海岸と言われる独特の海岸線の続く場所。そんな入り組んだ地形の中に沖から強い風が吹き込む、そうすると入り組んだ地形に、風によって発生した波が当たります。岸に当たった波はそれぞれの地形の向きによって多方向に跳ね返される。その多方向に跳ね返された波がまた別の岸に当たる、それを繰り返して行くうちに波と波が重なりどんどんと高さを増し危険な波に変貌する。それが三角波。その変貌した状態の波は漁師たちの漁船をいとも簡単に沈めてしまう。ただし漁師たちはその危険な波に決して逆らうことはせず、自然の力を理解し、海の表情をしっかりと読み取ることで海と共存して生きて行く営みを繰り返していた。そんな環境を生きてきた祖父は私にこう教えてくれました。「あの山に雲が掛かるとき西風が強くなる。その風が出たら海から離れること。はじめは小さな波でも集まれば強くなる。だから自然をなめたらいけん。」その時から小さな力でも集まれば大きな力になり危険な物となる。自然をよく観察し感じることが自然の中で生きていく術なんだと学びました。こんな経験から、私が自然界の中に足を踏み入れるとき、強く意識している感覚です。自然の脅威に敬意を払い自然の中で遊ぶ。これが僕とPyramidalwaveとの原点です。